それって本当に角地なの?意外に知らない建築基準法の盲点とは
土地を探している時、水路というのを目にすることがあると思います。
公図と呼ばれる図面に「水」という記載があれば水路だと一発で分かりますが、実は登記法と建築基準法で水路の考え方が異なることを知っていますか?
公図と謄本だけで安易に角地だから建蔽緩和が受けれるとは思わないで下さい。
1.角地緩和って何?
そもそも角地緩和とは?という点からご説明します。
角地緩和とは建築基準法建築基準法第53条3項2号で規程されている建蔽率の上限が10%上乗せされる制度のことです。
上の図ですと左側の赤い部分まで建蔽率が拡大されています。
つまり、角地緩和がある方がより面積の大きい建物を建てることができるようになります。
角地のメリット |
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1 |
建築面積が増えるので面積の広い大きな建物が建てられる |
2 |
二方向から建物外観が見えるので視認性が良い |
3 |
アパート等の共同住宅を建てる際に、避難経路が取りやすい |
2.道路と水路の見分け方
まずは公図で確認をしましょう!「水」という表記が通路部分に入っていれば水路なので角地ではありません。
ここで難しいのが地番が道路上に記載されている場合です。
登記簿謄本を取得して確認をすると地目の所に公衆用道路という記載があるケースがあります。ただ、ここで安易に公衆用道路だから角地だ!とは思わないようにしましょう。
前述しておりますように登記法と建築基準法で考え方が異なります。
登記簿謄本に公衆用道路という記載がされていても、建築基準法上は道路と見なされないケースがあります!
※不動産を長年経験している肌感覚ですが、公図上の道幅が通常の道路より狭かったり、現地調査にて道路というよりも通路という風に感じた際は、公衆用道路という登記簿の記載を鵜呑みにしない方が良いです。
3.水路の調査方法
水路の調査方法ですが、都内23区であれば該当エリアの区役所にある道路課に行って確認をするのが一番良い方法です。
慣れないうちは緊張するかもしれませんが、区役所の担当者は年中、不動産調査の人を相手にしているので分かりやすく教えてもらえます。
また、区によって違いますがインターネット上でも検索をすることが可能です。
大田区の場合ですと「まちマップ大田」というサイトがあります。
ここから指定道路というページを選択して該当の住所地を入力すると近隣データが閲覧できます。
4.まとめ
角地は人気が高いので、家を所有したりアパートを建てたりしたい方に取っては魅力的かと思います。
ただ、安易に角地だ!とは思わないようにして下さい。
不動産は高額な買い物となるケースが多いので、調査はしっかりと行いましょう!
何となく道路としては細すぎない?と思ったなら迷わず徹底調査をすることを忘れないで下さい。